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Red Warrior Phase2 [Red Warrior]

Red Warrior in the Seed World

PHASE2 卒業式

ZAFT(ザフト)という軍隊に入ったアスカは、ニコルやアスラン達と一緒の士官学校(アカデミー)に入り、厳しい訓練に明け暮れた。そこでアスカは、他人に自分の並外れた能力を疑われない程度に徐々に力を発揮していった。だがそのことによって、別の効果も現れた。最初はナチュラルの女であるアスカに良くない感情を持っていた者も多かったが、アスカの真剣な訓練態度や、目に見えて上がっていく成績を目の当たりにして、考えを改める者が徐々に増えていったのだ。

また、アスカは仲間と打ち解けるためにそれまでのおしとやかな態度を改め、明るく気さくで陽気な性格を前面に打ち出した。普通の女の子ならば顔をしかめるようなお下劣な話題にも、積極的に加わった。それにより、男から何でも気軽に話せる女という評価を受け、特にモビルスーツ(MS)のパイロット連中の受けが良くなった。だがその一方で、年下の女の子に慕われるという副作用?もあった。

ナチュラルであるにも係わらず入隊した動機についても、何度も繰り返し聞かれたが、アスカはこう答えることにした。『クラスメートを皆殺しにされたのよ。他に理由がいるの?』と。最初はそんなアスカの言葉を疑っていた者も多かったが、以前のアスカがおしとやかで争いを好まない、綺麗で長い髪が自慢の美少女であったことが知られるにつれて、疑いは感心と感動、感激にとって代わっていった。

何人かのクラスメートの母親が、士官学校の学生からアスカが自慢の髪の毛をばっさり切って入隊したことを聞いて、その場で泣きだしたこともそれに拍車をかけた。その母親達は、アスカが自慢の長い綺麗な金髪を命の次に大事にしていたと知っていたから。髪を伸ばしていれば、いつか記憶が戻るかもしれないと、アスカが願掛けをしていたのを知っていたから。アスカがどんな悲痛な想いで髪の毛を切ったのかを、分かってしまったから。その母親達から事情を聞いた者も、溢れる涙を止めることは出来なかったという。




一方、戦局は膠着状態であった。

その頃地球には、米・英・加による大西洋連邦、EU諸国によるユーラシア連邦、中・日・韓などの東アジア共和国などが地球連合軍の中核国家として成立し、プラントに対して宣戦布告していた。ところが、それ以外の国家のうち、クライン議長による中立勧告を受諾した南米諸国の集まりである南アメリカ合衆国は、連合軍の武力侵攻を受けて大西洋連合に併合されてしまった。オーストラリア周辺国の集まりである太洋州連合はこれを批判し、プラント支援を表明。地球連合は、大洋州連合に対し宣戦布告した。

その後、連合の月への橋頭堡である「世界樹」というコロニーを巡って地球連合は第1~第3艦隊を投入し、激戦となる。この時、ラウ・ル・クルーゼという名の英雄が現れ、ザフトのMS、ジンにて敵モビルアーマー(MA)37機、戦艦6隻を撃沈し、ネビュラ勲章を受章した。

3月になると、ザフトは食料確保の目的などから地上への侵攻を開始したが、地上戦力の支援が無かったために敗退した。これは、「第一次ビクトリア攻防戦」と呼ばれた。

4月になると、「オペレーション・ウロボロス」を発動し、地上に核分裂抑止能力をもつ「ニュートロン・ジャマー」を散布した。これにより、地球連合は深刻なエネルギー危機に陥り、餓死者もでるようになり、人々の反プラント、反コーディネイター感情は高まった。その混乱に乗じて、オーストラリア地区の湾、カーペンタリアに軌道上から基地施設を分割降下させ、48時間でカーペンタリア基地の基礎を建設した。これは「カーペンタリア制圧戦」と呼ばれた。

これに対して、地球連合は月から第5・第6艦隊をプラント本国に向け侵攻。プラント管理下の資源衛星「ヤキン・ドゥーエ」付近にて、迎え撃つZAFT軍と交戦した。これは「第一次ヤキン・ドゥーエ攻防戦」と呼ばれた。

5月になると、カサブランカ沖で、連合軍の地中海艦隊とZAFT潜水空母艦隊が衝突。この戦いに勝利したZAFTは地中海に侵入し、アフリカ北岸より侵攻を開始するとともに、ジブラルタル基地の建設を開始した。これは、「第一次カサブランカ沖海戦」と呼ばれた。

その後、エル・アラメインにて、連合軍とZAFT地上軍が激突。ここにもアンドリュー・バルトフェルドという名の英雄が現れ、ユーラシアの大戦車部隊に対し陸戦用4足歩行MSの「バクゥ」が多大な戦果を上げた。これ以後、双方の戦いは小競り合いが続いた。

そして……。





C.E.(コズミック・イラ)70年9月20日




アスカ達は、士官学校を無事卒業した。卒業生総代は、総合成績がトップのアスランだった。2位はイザーク・ジュールという、マティウス市選出の評議員の息子、3位はニコル、4位はディアッカというフェブラリウス市選出の評議員の息子、5位はラスティというクインティリス市選出の評議員の息子、アスカは10位だった。アスランがディセンベル市選出の評議員の息子であり、ニコルがマイウス市選出の評議員の息子であるため、トップ10の過半数を評議員の子女が占めていたことになる。

卒業式では、その場で配属される部隊が発表され、即日配属されることになっていた。アスカは息を飲んで発表を待ったが、結果は喜ぶべきものだった。ネビュラ勲章を受章したザフトの英雄であるクルーゼという男の部隊に配属が決まったが、なんとニコルが一緒の部隊になったのだ。そのうえ、アスランも一緒だった。

「やったわね、ニコル。これでこれからも一緒よ。アスランもね。」

ニコニコ笑うアスカに、ニコルやアスランも笑顔で応えた。

「そうですね、僕が一緒だと姉さんを守ってあげられますからね。」
「俺も、ラクスからアスカをよろしくって言われてるしな。」

二人はそう言いながら右手を差し出した。アスカもそれに倣う。3人の右手が重なった時に、アスランが声をあげた。

「一刻も早く、この世界が平和にならんことを切に願う。」

「「一刻も早く、この世界が平和にならんことを切に願う。」」

アスカとニコルも、アスランに続けて言い、3人で固く握手をするのだった。するとそこへ、イザークとディアッカが連れ立って通りかかった。

「フン、バカバカしい。」

イザークは、3人の行動を見て鼻で笑った。アスランは怒ってイザークの所へにじり寄ろうとするが、アスカはそれを押し止めた。

「丁度いいとこに来たじゃない。これから同じ部隊の仲間になるんだし、一緒に写真でも撮ろうよ。ねっ、いいでしょ。」

アスカは、半ば無理やり二人の肩を抱いて連行した。

「ねえっ、そこのミゲル!ラスティもっ!こっちに来なさいよっ!みんなで写真撮ろうよっ!」

そして、これまた近くを通りかかった同期生に声をかけた。

「おおっ、いいねえっ。」
「記念になるもんな。」

ミゲルは陽気で人当たりが良く、先輩としてアスランやイザーク達の面倒をよく見ていたため、最初は嫌がっていたイザークも渋々写真を撮ることを承知した。イザークは群れることを嫌うため、写真をみんなで撮ることには反対するであろうと予測したアスカが、イザークが逆らいにくい先輩を呼んだのだ。アスカの作戦勝ちである。

「じゃあさ、最初は思いっきり真面目な顔してよね。」

アスカの提案で、最初はみんな真面目な顔をして写真を撮る。

「で、次は好きなポーズを決めて。」

アスカが促すと、一番右でディアッカが目を瞑って敬礼した。口は大きく開いている。
イザークはその左で、澄ました顔をしながらミゲルの腕を掴む。
ミゲルは腕組みをしながら、偉そうな顔をしてふんぞりかえる。
その左でラスティが微笑む。
一番左には、アスランがややぎこちなく微笑む。
ラスティの前では、ニコルが制帽を被り敬礼しながら右手で笑いながらピースサインをする。
アスカはミゲルの前で、ニコルと対になるように制帽を被り敬礼しながら左手でピースサインをする。

「ようし、みんなそのままよっ!」

次にアスカはアスランの肩を掴んで引き寄せ、ニコルの肩も掴んで両手に美男子状態になる。いきなりのことに、ニコルもアスランも真っ赤になった。まあ、無理も無い。実は頬がくっついていたのだから。

「あっ、いいなあっ。」

それを見たミゲルが、思わず羨ましそうな顔をする。アスカはそれを聞いてクックックッと笑った。

「分かってるわよ。次は、ミゲルとラスティね。」

アスカの言葉に、ニコル・アスランは、ミゲル・ラスティと場所を入れ換える。

「おおっ、いいねえっ!」
「今日は最高だな!」

アスカと頬をすり合わせた二人はニコニコである。

「はい、次はイザークとディアッカよ。」

「おうっ、待ってました。」

喜ぶディアッカと対照的に、イザークは眉間に皺を寄せた。

「ふざけるなっ!なんで俺がそんなことをしなければいけないんだっ!」

怒鳴るイザークに、アスカはケラケラ笑った。

「なあに、色気付いているのよ。アタシをママだと思えばいじゃない。」

「なっ、なんだとっ!」

イザークは真っ赤になって怒った。自分がマザコンだと言われたと思ったからだ。

「へえっ。イザークはママが嫌いなんだ。ふうん。」

ニヤニヤ笑うアスカに、イザークは頭に血が昇った。

「ち、違うっ!」

「じゃあ、いいじゃん。」

アスカは、有無を言わせずイザークの肩を掴んで、もう片方の手でディアッカの肩を抱いた。

「はい、今よ。撮って、ニコル。」

「はい。」

ニコルはすかさずリモコンのスイッチを押した。

「はーい、ご苦労さん。写真は後で大きくして渡すから。楽しみに待っててね。」

アスカは、何故かニコニコしていた。そこに、イザークが噛みついた。

「ふん、何がそんなに嬉しいんだ。おかしな女だな。」

「だってさ、卒業式ってなんだか嬉しいんだもん。いいじゃない。」

「お前、バカか?卒業式なんて、初めてじゃないだろ?」

それを聞いた瞬間、アスカは動きを止めた。ニコルとアスランは、そんなアスカを見て真っ青になる。

「……だもん。」

その時アスカは、俯いて何かを呟いた。

「ああっ?聞こえないぞ。」

イザークは、更に大声になった。ミゲルがイザークの口を押さえようとしたが、間に合わなかったのだ。

「初めてだもん、卒業式なんて。だって、みんな殺されちゃったから……。」

アスカは、とうとう泣きだしてしまった。そう、アスカには小学校の卒業式の記憶は無く、中学校の卒業式は無かったのだ。同級生は皆殺しにされたため、アスカは卒業証書を寂しく独り校長室で受け取ったのだ。だから、初めての卒業式が嬉しくてたまらなくて、今日は普段に増してハイテンションだったのだ。

「このバカ!」
「テメエ、死ねっ!」
「女の子を泣かすなんて、サイテーだぞ!」

ミゲル、ディアッカ、ラスティは、そう言いながらイザークの頭を次々に思いっきり叩いた。イザークは、かなり痛そうにしながらも、アスカに謝った。

「……俺が悪かった。済まない、許してくれ。」

そうして、アスカが泣き止むまでイザークは頭を下げ続けた。イザークは口は悪いが、根は結構優しい奴なのかもしれない。





「ほう、赤服が6人もか。それは豪勢だな。」

卒業式が終わった頃、英雄クルーゼは自分の乗艦の艦長であるアデスから、新たに配属される隊員の報告を受けて驚いていた。

「ええ、これは凄いですよ。あの、ザラ委員長のご子息はもとより、赤服全員が評議員の子女ですから。」

「ん、赤服に女がいるのか。珍しいな。何っ、ナチュラルだと。それが赤服だと?何かの間違いだろうな。」

クルーゼは、眉間に皺を寄せた。

「いえ、間違いありません。ナチュラルです。」

「しかし、よくナチュラルがザフトに入れたもんだな。ふん、ユーリ評議員の養女か。ザラ委員長も、同じ評議員の横やりは押さえられなかったということか。」

「いえ、そのザラ委員長のご推薦です。その女は、ザラ委員長のご子息と仲が良く、ザラ委員長からも気に入られているとか。」

「それは信じられんな。まあいい。そのうち委員長には私から聞いてみよう。案外、政治的な理由があるかもしれん。まあ、当面は待機要員だな。本人の希望は何かあるのか。」

「はい、偵察任務を希望とありますが。」

「ならば、うってつけだな。危険な時だけ別の者を使えば良い。」

実はアスカは、危険な強行偵察任務を希望していたのだが、アスカの意に反して安全な任務が与えられることになってしまった。

次回

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