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Red Warrior Phase7 [Red Warrior]

Red Warrior in the Seed World


PHASE7 行方不明になった歌姫

「しっかし、参ったわねえ。アスランの親友がいるかもしれないなんて。」

そう言いながら、アスカは頭を抱えていた。アスランは、親友のキラがクサナギか足付きに乗っている可能性は低いと言っていたが、アスカは逆の見方をしていた。ガンダムを奪取した現場に居合わせたということは、連合の秘密兵器を見てしまったということだ。民間人ならば、それだけで拘束されて連行される可能性が高い。もし軍人だとしたら、コーディネーターであることから、テストパイロットにされている可能性も高い。いずれにせよ、足付きに乗っている可能性が高いと思われるのだ。アスカの勘は、後者を指していた。

「何とか生きて捕まえられないかしら。いいえ、それより前にいるかいないか、はっきりさせないと。」

アスカは唸ったが、良い考えが浮かばずにう~んと考え込んで悩んだ。そこへ、ひょっこりとニコルがやって来た。

「どうしたんですか、姉さん。敵を倒す、良い考えでも浮かんだんですか?」

期待に満ちたニコルの表情が、アスカの話を聞いて、見る間に陰っていった。

「そうですか、アスランの親友ですか。そりゃあ、やりにくいですよね。」

ニコルは、大きくため息をついた。

「やっぱり、アンタにも良い考えなんて無いか。」

アスカも、ニコルと一緒に大きくため息をついた。分かってはいたが、今のところ妙案は無い。ただでさえ困難な任務であるのに、更に難しいものになってしまったのである。前途多難のアスカであった。




その後、クルーゼ隊は何度か足付きに攻撃を仕掛けた。最初の戦いは小手調べであったが、次からの攻撃は本格的に攻めて行った。にもかかわらず、アスラン、ニコル、イザーク、ディアッカ、ラスティら5機のガンダム部隊は、敵のMSを1機も落とせなかった。

足付きのMSは、バスターもどき(レイの乗るバスターダガー)の砲撃が的確で、デュエルもどき(シンジの乗るデュエルダガー)に有効な攻撃を与えられないからだ。そのうちに、ストライクもどき(キラの乗る105ダガー)の腕が急激に上がっていって、近付くことさえ難しくなっていったのだ。しかも、敵のストライクもどきは、ラスティのストライクと違って、装備を換装して戦っていたため、かなり手ごわい存在になっていた。もしかしたら、ストライクも同じような換装システムが採用されているのかもしれないが、換装する装備はこちらにはないのだ。

そういう表面上の理由に加えて、キラの件があって、アスランとニコルの攻撃の手が緩かったこともある。その上、イザーク、ディアッカ、ラスティらは、アスカから敵のパイロットを可能な限り生け捕りにするよう頼まれていたため、これまた攻撃に精彩を欠いていたのだ。

OSは、ジンのものを改良した結果、動きが見違えるほど良くなり、クルーゼの推論が当たっていたことを示していた。だが、それでも敵の方の動きの方がやや上回っているようだった。もっとも、ガンダム5機はジンと比べればかなり良い動きをするようにはなっていたが、おそらく本来のスペックはもっと上なのだろう。

一方、オーブMSの4機(マナちゃんズ)のチームワークの前に、クルーゼのシグー+ジン部隊も攻めあぐねていた。機体性能、武器とチームワークはマナちゃんズの方が上で、パイロットの技量はクルーゼ達の方が上。そのため、お互い敵を撃墜するまでには至らなかった。

そうして攻めあぐねているうちに、プラント本国からクルーゼに対して出頭命令があった。評議会にて、先日クルーゼ隊がヘリオポリスを崩壊させた件について、報告せよと言うのだ。

「ふっ。今頃、評議会はてんやわんやだろうな。仕方ない、戻るしかなかろう。」

そう言って、クルーゼが簡単に足付きの追討を断念したため、部下から反対の声がでた。ここまで追いかけてきたのに、手ぶらでは帰れないと。それに対しクルーゼは、戻るのは自分の艦だけにして、もう一隻の艦のガモフに引き続き足付きを追わせることにした。足付きを追うパイロットは、ミゲル、ディアッカ、イザーク、ラスティ、ニコル、アスカの6人とした。アスランと数人のパイロットは、クルーゼと一緒に戻るのだ。

クルーゼは、当初はアスカを連れて帰る予定だった。国防委員長のパトリックから、アスカを危険な任務から遠ざけるように言われていたことと、アスカがいると評議会議員の心証が良いと考えたからである。それは、アスカの親友のラクスの父シーゲルが評議会議長であり、アスカの義父が評議会議員のユーリであるからだった。

だが、当のアスカに命令する前に、本人から是非足付きを追いかけたいと懇願された。と同時に、自分は実際に戦っていないから、評議会で証言するには適さない、アスラン達の方が向いていると言われて思い直した。確かに、アスランならばアスカほどではないが、シーゲルやユーリの受けは良い。強硬派のパトリックの息子にも係わらずにだ。それに、アスランはヘリオポリス侵入の実行部隊にいたし、敵の新型兵器と何度も戦っている。評議会議員に敵新型兵器の脅威を説明するには、アスランの方が適任かもしれない。

「分かった。君には、引き続き足付きを追ってもらおう。だが、無理は禁物だ。いいな。」

「はい、ありがとうございます。」

クルーゼに足付きを追う許しを得て、アスカはにっこりと微笑んだ。そして、併せて本国にいるある人物への伝言をお願いしたのである。

だが、その後足付きはユーラシア連邦の軍事要塞アルテミスに逃げ込んでしまった。アルテミスというのは、「全方位光波防御帯」という特殊な防御兵器を擁し、敵の攻撃を悉く退けていた、難攻不落の要塞だったのである。このため、アスカ達ザフトは、離れた所から様子を見るしかなかった。




「お久しぶりですね、ガルシアおじさま。」

「おお、レイちゃんか。しばらく見ないうちに、一層可愛らしくなったな。」

アルテミスでは、レイが太った男と会っていた。レイは、その男-アルテミスの司令官のガルシア-と知り合いだった。レイの養父は、以前ガルシアが死にかけた所を助けたことがあったので、ガルシアはレイに出来得る限りの便宜を計ることを約束した。そのため、アークエンジェルとクサナギは、武器弾薬や食料の補給を受けることが出来た。そのお礼にと、レイはガルシアの元へと訪れた。

「おじさまに、渡したいものがあります。私達が開発した、新型機動兵器のデータです。これまでの実戦データも含まれています。必ずや、おじさまのお役に立てると思います。」

そう言って、レイはデータディスクをガルシアに差し出した。その中には、D兵器の設計等のデータは含まれていたが、G兵器のデータはダミーデータにすり替えられていた。ユーラシア連邦に大西洋連邦の最新技術が渡るのを防ぐためである。D兵器は、G兵器の廉価版とも言うべき位置付けであり、最新技術よりもコストパフォーマンスの高い技術が優先して使用されていたという事情があったからである。

「おや、いいのかい。そんなに大事な物を。」

ガルシアは、データディスクを受け取るのを一瞬ためらったが、レイは是非受け取るようにと言った。

「私達は、無事にこのデータを味方に渡せるかどうか分かりません。それならば、おじさまに託して、少しでも味方にデータが渡る様にしたいのです。それに、このデータの最も重要な部分は、大西洋連邦でなければ解読出来ないようになっています。ですから、このデータは最終的に私達の国に渡る様になっています。」

それを聞いて、ガルシアは微笑んだ。

「なんだ、レイちゃんは結構しっかり者なんだな。」

「ええ、まあ、そうですね……。」

レイは、一体何と言って良いのか分からずに言葉を濁し、愛想笑いをした。続けてレイは、監視付きでも良ければ好きなだけデータ取りをしても良いと伝えた。基本的には今渡したデータ以上のものはないはずだが、それを確認したければ好きなだけしても良いという趣旨だった。だが、ガルシアはそこまではしないと答え、それで話は終わりになった。どうやら、レイの言葉を額面通りに受け取ったようだった。

だが、ガルシアもしっかり者だったようだ。レイがデータを渡した後、補給のスピードが上がり、補給量が3倍近くになったからだ。おそらく、ガルシアは交渉や、場合によっては力付くでデータを横取りしようと企んでいたようだ。レイはそれを察知し、ガルシアとの関係が良好なうちにデータを渡すことにしたのである。狐と狸の化かし合いは、狐の勝利に終わったようだ。




レイがガルシアとの話から戻って来ると、マリューは真っ先にお礼を言った。無論、レイは当然のことなので気にしないようにと言って微笑んだ。

次にマリューは、これらの行動についてどうするのかレイに相談したが、レイも特に妙案を持っているわけではない。そこで、士官以上の者とMSパイロットを集めて協議することにした。クサナギからは、マナとパイロット達も呼ぶことにした。

士官以上の者としては、マリュー以外にはムウ大尉、レイ大尉、ナタル少尉の3人が該当する。パイロットは、シンジとキラである。それにマナ達4人が加わって、総勢9人が集まることになった。




「では、皆さん。何か、これはという考えをお持ちの方はいるかしら。」

ブリッジに集まった面々を前にマリューが問いかけたが、みな顔を見合わせるばかりだった。そこに、ムウがおずおずと手を挙げた。

「あまり良い方法じゃないんだが、デブリ帯を通るのはどうかな。補給を受けたとはいえ、水だけは十分な補給が受けられなかった。でもな、デブリ帯には十分な水がある。」

それを聞いて、皆は目を白黒させた。ただ一人、ナタルだけがムウの言いたいことが分かったようだ。

「ユニウスセブンですね……。」

ナタルの問いに、ムウは頷く。

「あの~、どういうことなんですか。」

そこに、シンジが首を傾げながら尋ねた。いま一つ、事態が飲み込めていないようだった。マリューが口を開こうとしたその時、レイが苦々しい表情で呟いた。

「墓場荒らしをするのね……。」

「えっ……。どういうことなの?」

シンジは、まだ分からないらしい。再び間抜けな顔をして聞いてきた。皆が呆れる中で、マナが優しく答える。

「シンジ、ユニウスセブンを知らないの。戦争のきっかけになった、核兵器で破壊された農業プラントよ。農業プラントと言うくらいだから、大量の水が残っているはずなのよ。それを頂こうっていう訳なのよ。でもね、ユニウスセブンには未だに大勢の犠牲者が手つかずに眠っているから、ある意味で墓場とも言えるのよ。そこの水を頂こうっていうから、言わば墓場荒らしみたいなものね。」

「あっ、そうなんだ……。」

今度は、ようやく理解したようだった。

「でもな、俺達は生きている。だから、これからも生きなくちゃいけないんだ。なあに、ほんの少し水を頂くだけさ。」

最後にムウがそう言って、その場を締めた。それから、モビルスーツ中心となって補給作業を行うことが伝えられ、シンジ達は早速発進準備に取りかかる様に要請された。シンジは、キラと協力し、悪戦苦闘しながら準備を進めていった。

それからしばらくして、太陽活動の影響でレーダーが乱れた隙をついてアークエンジェルとクサナギはアルテミスを発進し、追いすがるガモフを振り切ることに成功した。




「なんですって!ラクスが、行方不明ですって!」

足付きの足どりが掴めなくなった頃、デブリ帯に向かうガモフに、驚くべき情報が入った。アスカの親友ラクスが、「血のバレンタイン」の悲劇追悼一周年式典に出席するために、慰問団の団長としてユニウスセブンの残骸に向かったが、慰問団ごと消息を絶ったというのだ。それを聞いたアスカは、興奮して大声をあげていた。

「姉さん、いいから落ち着いてよ。ここで姉さんが興奮したって、ラクスさんが見つかる訳でもないし。」

弟のニコルが、アスカをなだめようと必死になる。

「そんなこと言ったって!ラクスが行方不明なのよっ!黙って居られる訳がないでしょ!」

だが、アスカは収まらない。ジンで出撃しようと言いだした。

「ちょっと待ってよ。出撃許可を取らないとまずいよ。そうしないと、パイロットを降ろされちゃうよ、姉さん。」

それを聞いて、アスカは固まった。確かに、ニコルの言う通りだからだ。無断で出撃なんかしたら、最悪二度とパイロットにはなれなくなるかもしれない。そこで、アスカは直ぐに頭を切り替えた。

「ニコル、艦長の所に行くわよ。ラクス捜索の出撃許可を貰うのよ。」

そう言うなり、嫌がるニコルを引きずって、アスカはブリッジへと向かった。そうして、アスカは凄い剣幕で艦長を説得し、見事出撃許可を得ることが出来たのである。無論、アスカの後ろには、アスカに無理やり拉致されたパイロット全員が並び、アスカが何か言う度にカクカクと頷いていたのではあるが。この頃既に、クルーゼ隊の赤服パイロット達は、アスカの下僕となりつつあった。




出撃許可を取ったものの、ラクスの乗った艦-シルバーウィンド-が消息を絶った場所まではあと半日はかかるため、アスカは作戦会議を開くことにした。場所はアスカとニコルの部屋で、メンバーは、ミゲル、ディアッカ、イザーク、ラスティ、ニコルにアスカを加えた6人である。アスカとニコルは各々のベッドに腰をかけ、他のメンバーは適当に椅子を持ってきて座った。

「さあて、どうしようかしらね。何か良い案を持っている人はいるかしら?」

アスカの問いに、ミゲルは2人一組になって探すことを主張した。探せる範囲は半分になるが、万一地球連合軍に遭遇した時のことを考えると、無難な案である。これには、全員が賛成した。

「じゃあ、パイロットの組合せはどうしようかしら。」

次のアスカの提案に、イザークを除く全員が自分とアスカを組む案を主張した。

「俺が年長者だからな。一番実戦経験の無いアスカと組むのが妥当だ。後は、イザークとディアッカ、ラスティとニコルが組めば良い。」

ミゲルの主張に、ディアッカは反論する。

「いや、アスカの機体は火力が弱い。だから、一番火力の強い機体であるバスターと組むべきだぜ。後は、イザークとミゲル、ラスティとニコルが組めばいいだろ。」

だが、ラスティも黙っていない。

「ちょっと待てよ。ディアッカの機体は、遠距離専用だろ。近距離専用のブリッツと組むべきだろうが。後は、ガンダムを分ける方が良い。だから、イザークとミゲル、俺とアスカの組合せっしょ。」

そこに、ニコルも負けずに口を出す。

「悪いですが、相性から言うと姉さんと一緒に組むのは僕が適任です。後は、イザークとディアッカ、ミゲルとラスティが組んだ方が良いですよ。」

などと言い合って、お互い一歩も引かない。

「う~ん、どうしようかしら。」

それぞれの意見に一長一短があり、アスカは迷った。すると、いつの間にか皆がアスカの方を黙って見ていることに気がついた。みんなが自分の意見を待っていると思い、アスカは全部の組合せのメリット・デメリットを頭の中で素早く整理していった。だが、やはり絞りきれなかった。そのうち、ふと気がついた。みんなの目が、何故か下の方を向いていることに。

「あっ。」

アスカは、思わず声を出してしまった。いつの間にか、アスカは右足を立ててしがみついていたことに気付いたからだ。
アスカの顎は、右足の膝の上に乗っており、当然ながらミニスカートがめくれて紅いショーツが丸見えになっていた訳で……。

「アンタ達、見てたわね?」

アスカがギロリと睨むと、みんなバツが悪そうに目を逸らした。

次回


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紅葉

すごいですねぇ(*´w`*)ノ!!!ブログで、小説更新なんて!!!!
by 紅葉 (2006-04-13 00:34) 

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